日本ワイン専門「ぶだう酒屋」のワイナリー紹介記事。3回目にしてやっと、私達がいる九州のワイナリー『都農ワイン』です。
そして、今回は都農ワインの取締役工場長である赤尾誠二工場長との対談形式です!
※すぐに当店の都農ワイン一覧をご覧になる場合は、『都農ワイン一覧ページ』へ
都農ワインの赤尾工場長
赤尾工場長との待ち合わせは、2020年1月25日(土)でした。
ちょうど、私が小倉の飲食店さんで開催する都農ワインさんのイベントに赤尾さんがお越しくださる予定があったので、寺井さんにご紹介をさせていただきました。
寺井さんもコンサルティング先の飲食店の現場に土日ともに立つ予定だったのですが、なんとか途中、時間を作っていただき、小倉駅までお越しいただきました。
赤尾さん、こちらが、日本ワイン専門店のネットショップを提案してくださり、運営してくれている寺井さんです。
※記事中の写真は、赤尾工場長提供のものを中心に、古賀や寺井が撮影したもの
都農ワインの企業理念「チャレンジを忘れない!」
では、早速、うちのワイン、ワイナリーについてお話します。
あ、その前にこちら、よかったらどうぞ。僕らが自分達で作っている新聞というか、広報誌です。
僕らは小さな会社なんですが、ぶどう、ワインはもちろん、こんな広報誌もできるだけ自分達の手作りで作っています。
で次のページに書いているんですけど、うちの会社の企業理念は「チャレンジを忘れない!」です。
雨の多い宮崎でぶどう栽培をしていくと決めた先人の想い、先人のチャレンジする姿勢を、僕たちも引き継いでワイン造りをしています。
地元のぶどうしか使わないですし、いわゆる地酒であるべきだという想いで造っています。
都農ワインの3つのブランドネーム
チャレンジを忘れないをモットーに、ワインのアイテムも増やしてきました。
スタート当初は「キャンベル・アーリー」「マスカット・ベリーA」の2アイテムでした。
毎年1アイテムの新商品にチャレンジするというコンセプトを掲げ、 最先端の醸造技術を導入し、ブドウの品種更新や畑の拡張をしてきました。
そして現在、30アイテムを超えるワインを造るまでになりました。
こう言うと、場当たり的に作っていると思われてしまうかもしれませんが、そうではありません。
以前から考えていたのですが、20周年を機にラインナップ整理を進めて、今は3つのブランドネーム(3つのステージ)を掲げています。それは
- プレステージ
- 牧内ビンヤード
- 尾鈴ビンヤード
です。
プレステージ
まずは、プレステージ。これは今自分達の持っている技術で最高のワインを造るというコンセプトです。
Hyakuzi メソッド トラディショナル都農
まず、1つが瓶内二次発酵のスパークリングワイン『Hyakuzi メソッド トラディショナル都農』です。
目指しているのは夏に飲む爽やかな泡ではなく、特別な時に飲んでほしい、どっしりした泡。そのコンセプトに苦戦しています。
いきなりヴィンテージシャンパンのようなものは厳しいです。
でも、それが僕たちの造りたいスパークリングワインなんです。
若くて美味しい爽やかなスパークリングワインなら、まだしも、熟成感あるものとなるとまだまだ思うように造れない年ばかり・・・。
なので、5,000円代するのですが、時々発売できているという感じです。
ちなみにHyakuziというのは、この土地が秘める「未知の力」を信じ、夢を追い続けた先人『永友百二(ながとも ひゃくじ)』からその名前をお借りしています。
プレステージ シャルドネ 都農
2つ目が『プレステージ シャルドネ 都農』。
ナイトハーヴェスト、収量制限、スキンコンタクト、培養酵母と少しの自然酵母をミックスして、より重厚な白にします。
これは今年2020年ファーストリリース予定です。
楽しみにしてもらえたらと思います。
2020年7月27日
コンテナ洗いをしました!およそ4,000個!!
ワインづくりは、衛生管理が最も大事です。
ブドウを入れるコンテナが清潔であることで、バクテリア汚染を防ぎます。
健全な発酵、綺麗な味わいを表現するためにとても大事な作業です。
これから、仕込み機械、搾汁機、タンク、床洗いなどを徹底して洗浄していきます。仕込みは、8月4日ころから始まる予定です。
いよいよ2020年仕込みも始まります。
プレステージ シラー 都農
3つ目は、まだ先のリリースなんですが、シラーに取組んでいます。『プレステージ シラー 都農』です。
都農でレベルの高いシラーを造りたいんです。
エレガントでいいんですが、単にエレガントだねで終わる感じじゃなくて、ヨーロッパ人が「日本のシラーもこんなレベルか!」と驚かれる次元にしたい。
シャルドネはそれが少し出来てきているんです。
IWC※1とかで高評価を貰える。国際的に認めてもらえ始めているという手ごたえがあります。
日本ワインコンクールでは、あまり成果は出ていないけど(笑)※2
でも、コンクールの基準というか価値観ってのもあって。
海外だと・・・私はくるくるパーマ、天然パーマなんですが・・・まぁ、髪ないんですけど(笑)
一同:あはは(笑)
人と違うことは良いこと、それが個性という評価。
日本にいるとストレートパーマ―にする・・・そんな価値観。
今の日本のコンクールがダメというわけではなくて、2000年前後に世界中で樽のきいたワインが人気で、その後、逆にテロワールの時代に戻ったように、成長期の今の日本ワインの評価基準が出来てしまっているのかもしれませんね。
でも、そろそろ日本ワインも定着期なので、近いうちに変わるんじゃないかなと思ったりもします。
そうかもしれませんね^^
※1:IWC=インターナショナル・ワイン・チャレンジという毎年イギリスで開催されている、世界最大規模のワイン品評会
※2:ジャパン・ワイン・チャレンジという輸入ワインも対象としたアジア最大級の品評会では毎年受賞し、日本ワインコンクールでは銀賞を獲得している(金を獲れていないのでこの表現と思われる)
2021年速報
2021年5月15日、赤尾工場長のFBで次のような投稿がありました!
牧内ビンヤード
続いて、牧内ビンヤードシリーズです。
9ヘクタール弱の自社畑で14種のぶどうを栽培しています。シャルドネが一番樹齢高く、26年目。
牧内というのは、都農に牧内地区というのがあって。
尾鈴山が後ろにそびえたっているんです。麓の町は都農町と川南町。尾鈴山は都農のシンボル的な山ですね。
その尾鈴山からの水がサイフォンで湧いて、牧内大地でも水が湧くんですよ。
古賀、寺井:へー!
水が湧くことで3つの小さな滝があるくらいです。
で、寒暖差があるとワインが美味しい(よいぶどうが育つ)と言いますよね。
牧内自体が水が湧くので夏場、地面の温度が低い。
植物が根から水を吸い上げて葉で光合成をするのですが、温度が低いほど、光合成のポテンシャルが上がる。
そういう理由も数年前に知ったんだけど(笑)、土地のもっている力、水が湧くことで湿度も高い。
湿度のせいでぶどうの病気も多くなっちゃうけど、メリットとして寒暖差のある地域同様に、朝のうちに地面の温度が低く、味ののったワインが出来る。
これが牧内の特徴です。そして最近、牧内の中でも畑による味の違いも分かってきました。
#6、#5の畑の番号。
はい。これは畑の番号なんです。
で、#6と#5はグーグルマップで見ると真上(※隣という意味だと思います 寺井)なんだけど、畑に立つと、一畝(ひとうね)削られているところに#6があって、そこが一番水が湧くんです。
地面がびちゃびちゃというわけではないんですが、1つは草が・・・
“水田に生える草”が生えるんですよ
はい。
で、地面に堅いスポンジみたいなものを入れて、それで水を吸わせて分析してみたら、水に違いがあると分かった。
テロワールって、自然に作られたものを表現するというのが大前提だと思うのだけど、自社の自然環境の中で作ったワインが、紐解いていくと色んなテロワールがあるというのが、本当、最近分かってきました。
尾鈴ビンヤード
3つ目は尾鈴ビンヤードで、都農町と川南町の両町のぶどうで造ったワインです。
一般的に1,000円代のワインですね。
※古賀のこの「キャンベルとか」は、マスカットベーリーAも含まれていると推測します 寺井
あとサニールージュですね。
このサニールージュってのは、「ピオーネ」と「レッドパール」の交配品種で、大きなデラウェアみたいな面白い白ワインが出来るんですよ。
20年くらい前から農家さんが、キャンベルを伐採してサニールージュに変えていたんですが、なかなか上手く軌道にのらなくて。
シャインマスカットやピオーネに植え替えてしまうこともあるのですが、もう少しぶどうの単価を上げて生産意欲が沸くようにしたいとは思っているんですけど。
美味しいですよ^^
そう、グリぶどうです。
非常に、こー、あのー、ぶどうが甘く面白いです。
完熟すると黒みも深まり、どす黒い赤なんですが、若熟れだと緑とピンクが混じった感じで。
完熟を生食、若熟れを白ワインにとか。
3つのステージの活かし方
こんな感じで3つのブランドネーム(3つのステージ)を掲げて、ワイン造りをしています。
もちろん苦労しています。
うちも日本ワイン愛好家の方と地元宮崎の方からなら名前を知ってもらっているくらいの小さな会社ですよ。
うちって、ぶどうを栽培するセクション、醸造をするセクション、ワインを販売するセクション・・・そのほかにワインを楽しむセクションがあります。
カフェがあって、そこでナイト営業とかイベントとか。
ワインを紹介して売り出していく。
そういうセクションを機能化してワイナリーに来てくれるお客様を増やしていこうとしています。
オーベルジュ機能とかレストランを作ろうとか動きを都農町と一体になってやっているんです。
都農ワイン工場長 赤尾誠二 プロフィール
1974年 宮崎県川南町生まれ
1992年 高鍋農業高校卒業
1992年 都農町役場に入庁
1996年 都農ワイナリーグランドオープンとともに出向
2006年 日豪交流事業の一環にて豪ワイナリーで2ヶ月半の醸造研修
2006年 都農町役場退職、都農ワインの工場長代理に就任
2016年 取締役工場長に就任
18歳から続けるワイン造り
僕は地元の農業高校出身です。
高校では食品化学科で、パンを作ったり、ハム、味噌を作ったり、あと化学分析をしたりしていました。
友達は大手〇〇食品とか焼酎蔵に就職していますね。
で、周りが就職が決まる中、僕は愛媛大学を受験するも落ちて。
そんなとき、都農町では都農ワインを立ち上げる(第3セクターなので町役場が設立する)うごきがあってたようなんです。当時の僕は知らないけど。
3年かけてワイナリーを設立するのですが、その3年の間に都農町で試験製造免許を取るんです。
で、地元の町役場の人が僕の高校に人を探しに来たんですよ。
そしたら、たまたま就職も進路も決まっていないの僕しかいなかった(笑)
先生にお前ワインどうかって言われて。
18歳でワイン知るわけない。
一同:あはは
でも、その高校時代に筒状のものの中にゼリー状の酵母を敷き詰めて、ぶどうジュースを垂らすとワインになるという装置を先輩から引き継いで作っていたんですよ。
古賀、寺井:へー!
だからワインがぶどうから出来ると言うことくらいは知っていました(笑)。
それで役場に入って、それから1年間、地元の食品開発センターといって、当時は焼酎の酵母を管理していたりとか。
民間企業から分析を依頼されたりとかいう機関がどこの県にもあるんですが、そこの微生物部に1年間、研究通いでやってて。
昨日の夜、その時の上司だったおばちゃんが所長になっていました^^
古賀、寺井:おー(笑)
それでワイナリーが3年後にできて、今の社長が工場長として民間から招聘(しょうへい)されて、2人でワイン造りが始まってという感じです。
その後、2006年ですかね。32歳の時に、日本の若手醸造家で選ばれてオーストラリアと日本の政府の文化的交流事業の中のエクスチェンジプログラムにワインがあって、日本から代表して1人招へいされて、3カ月くらい行ってきました。
2016年から工場長に
2016年に経営組織が変わり、工場長だった小畑が社長に、私が工場長に就任しました。
今の僕の仕事は栽培と醸造に加え、ECサイトも立ち上げて、管理しています。
醸造は今、3人でやっています。
あはは。現場は今は私と若い者2人の3人体制なのですが、現場にいるようないないような人が「おっ!」というようなことを言ったりするんですよ。
一同:あはは
時々ですよ(笑)
一同:(一層)笑う
チームで決める醸造の方向性
醸造はチームでやっていて。(おそらく小畑社長も含めてという意味 寺井)
『にごり』とか出さないというスタンスもチームで決めますし、そうは言っても(いわゆる自然派の)市場はあるので、にごっているものより美味しいワインが出来るのではないかとか、まずは既にナチュールをやっている方たち以上に詳しく知ろうとか思っています。
自然派を否定するわけではないですが、できたてのワイナリーがナチュールやりますというのは私から考えるとあり得ない。
科学的な試験のもと、ぶどうを栽培して、ぶどうのオペレーションができるようになって、ナチュールへのチャレンジができるようになる。
そして、さらに時間がかかって色々な技術を積み重ねて、やっとナチュールと初めて言える。
ものすごい時間がかかるわけです。
これを分からずにワイナリー立ち上げて、いきなりナチュールですって・・・ブームに乗ろうと踊り場に立ったけど、結局売れなくてつぶれるワイナリーも出ています。
新しく出来たからワイナリーにスポットが浴びる時期があったけど、今はちょっと違って競争が激しい・・・。
世間も、なんだろう、それぞれの価値にお金をかけるように変わってきていますよね。
時代に適合した醸造、マーケティング
都農で言ったら・・・そうですね、〇〇ができたんです。(専門的に分類するとスーパーセンターというのですが、世間ではディスカウントスーパーと言われたりする業態です 寺井)
すると、地元スーパーから人が減った。都農の人たちのお金の使い方が変わってきている感じます。
安いところ(その郊外のスーパー)で安いものを買って、スマホ代にお金をかける、10年前とは大きな違いだと感じます。
一同:笑
都農町って人口1万人、4千世帯。200票あれば町議に通る
あはは(笑)
そういうコンパクトな街ですが、ふるさと納税で100億円集めた。全国でも有数じゃないでしょうか。
で、規制があり以前ほどではなくなったけど、50億の納税があった。
これは、都農という漢字の魅力もあるんじゃないかな。
知らない人は「つの」とはなかなか読めないけど、「農」の「都」。魅力的ですよね。
今は若い子も商売ができるし、行政も助けてくれる。そういう流れがある。
そして、地元でやっていきたい、そんなこんなで3年前に町が持っていた株を民間の方が買ってくれて、いわゆるファンド。
会社組織が変わった。町が保有する株は10%くらい。
で、以前は小売価格のみで販売することしかできなかったけど、町の酒屋さん、飲食店さんにメリットがないといけない。
今は卸価格をなんとか設けています。
会社としてそういう取り組みをしています。
赤尾工場長とぶだう酒屋古賀との出会い
寺井:お二人の出会いはいつなんですか?
赤尾:九州ワインフェスタですよね?
古賀:ですけど、赤尾さんは覚えていないでしょうけど、東京のどこかのホテルで試飲会があったのですが、10年近く前に。その時に赤尾さんがいたんですよ。
もちろん当時は九州からただ1人(1件)。あとは全国から日本のワインの造り手がいたんですけど。その当時、赤尾さんを見ただけでインパクトがあって(笑)
一同:あはは
古賀:1人、九州なまりの言葉で話していて、そのときに(私の敬愛する)丸藤の大村社長から赤尾さんが頑張っている方だと教わって。
寺井:九州でも都農ワインさんがいち早く、脚光を浴びたような気がするんですけど。
赤尾:設立の順番では決して古くないのですが、ワインの衝撃としては早かったかもしれません。
古賀:そうですよね
寺井:まだ、日本ワインブームもない時期からでしたよね。当時は国産ワインと呼んでいたか。特に当時、シャルドネがすごく良いな!と思った記憶があって。
赤尾:ありがとうございます。
九州のワイナリー
ただ、うちは悲しいかな、営業もいなかったし、主な市場は宮崎県内しかなかったんですよね。
なので、そう思っていいただいたかもしれませんが、九州の資本力のあるワイナリーさん、例えば安心院葡萄酒工房さんの人財投資もすごいし、熊本ワインさんは川邉さん※がコンサルに入ったり、国産ワインコンクール(現 日本ワインコンクール)で受賞したり。
カリフォルニア、ナパバレーにて15年間ワインメイキング携わり、コンサルタント及び国内ワイナリーの醸造責任者を経てワイン醸造技術士として2019年12月に独立し、ŒNOLUTION(エノリューション)を設立。
うちもさっき30アイテムを超えたと言ったように、色々なことを試しているつもりですが2人3人でやっていると、安心院さんの人材投資は羨ましかったりします。これは日本列島を見ても同じですね。
そんなこんなで落ち込んだ時期も(心も売上げもという意味と推測 寺井)あったし、都農ワインが安心院さんや熊本ワインさんに上書きされてしまうのではなんて思った時期もありました。
でも、最近は九州ブランドといいますか、安心院、熊本、都農。日本ワインが好きな方からすると九州で光ってるよねと。それに続く新しい九州のワイナリーも元気があって良いよねと。
そういうのを感じて、以前のような葛藤はなくなりました。
あと、飲食店さんも酒屋さんも新しいワインを追いかけるのに疲れたというか(笑)、一回り回ったというか、そろそろ定着の時期というか・・・そんな風に感じて、僕たちも改めて地元を大事に、宮崎でどんどん展開していこうと思っています。
元々、7割は地元で販売してもらっていますから。
普通にスパークリングワインを造るなら簡単かもしれません。
実際、高評価のキャンベルアーリーには特に苦戦はしませんでした。
でも、僕たち今、樽熟成したシャルドネをアッサンブラージュしてベースワインにしているんですけど、それが100%だとまず無理。
50%でも。20%でもちょっと厳しいという感じで手探りです。
シャンパーニュに行ったときに、あの人たち、ヴィンテージシャンパンをグラスに入れてクルクル回してガス飛ばして「どうや!!^^」って飲ましてくれるんですけど(笑)、ガスと熟成のバランスについても考えさせられて。
若い爽やか系のガスと熟成の泡との違い、難しいです。
でも、簡単にできれば、みんなやっているわけで。
そうです^^
九州の泡だと安心院さんのスパークリングはシャンパーニュ的というか、評価も高いですけど、僕たちの造りたいスタイルとはまた違うし、同じものができるとも思わない。
安心院さんは白ワインでも、北っぽさがあるというか、由布岳があって日照や気候も違うのでしょうね。
熊本さんのシャルドネは都農と似ていて、トロピカルさを持っている。
実は、ブラインドで熊本と都農間違えたこともあるんですよ(笑)
僕はまだ行けていません。
でも、自社畑を持つことで会社の質も変わるし、熊本ワインさんはもっと強くなりますよ。
安心院さんも九州のシャトー・メルシャンのごとく、畑を管理・拡張していますし、ますます九州は熱くなりますよ!
うちも負けないように頑張ります!!
あと、西日本ワイナリー協会というのを先日立ち上げて、僕も九州の理事をさせていただいて、中国地方は太田さん。※前回特集した三次ワイナリーの太田醸造長
関西ワイナリー協会と連携して、がばっと63社の団体を作ったんですよ。
そうそう。
こうやって、産地で力をつけていくと、日本全国に地方力(ちほうりょく)で勝負もできる。
VS山梨だって!
あとは、西日本品種とうのが、もし生まれたら、また面白くなるんだけど。
どうしても、甲州というと山梨。(都農でも栽培していますが)
そこで、〇〇といえば西日本のぶどうだよねとなれば・・・と思います。
付加価値
気候風土として西日本でしか美味しくならないぶどうなんてあれば、さらに付加価値になると思います。
この前、アボガド農家さんとお会いして。
1玉が3,000円!大きいものだと1万5千円!!
もちろん、めちゃめちゃ美味しいけど、100円のアボガドだって美味しくないわけじゃないですか。
じゃあ、なんで3,000円するかというと、日本産アボカドは他にない。
これは生産者は味だと言うでしょうし、ワインでも私は造り手なので味で勝負していますが、消費者は必ずしもそれだけじゃない。
付加価値って大事ですよね。私が運営するプレゼントワインショップもワインの銘柄だけでいうと、他店でも同じワインを扱っています。
でも、ギフトにワインを選びたいけど選ぶのが難しい方を全力でサポートしていますし、全てのワインにワインの説明カードがついている。
ワインの保存には当然気を使っています。
自分用に安くワインを買いたい方にとってはプレゼントワインショップは付加価値はないかもしれないけど、ギフトでワインを贈りたい方にとっては大きな付加価値のあるお店を目指しています。
以前、日本ワイン専門店『ぶだう酒屋』(当店。寺井と古賀が共同で運営している)に日本ワインの問合せがあり古賀さんに手配してもらいました。
そのワインは古賀さんが若松酒類販売(古賀さんの会社)でセラーで大事に寝かせていたバックヴィンテージの高額日本ワインでした。
古賀さんは当時の定価でプレゼントワインショップへ卸すと言ってくださったのですが、それでは私達の仕事の意味がない。
おそらく出荷当時より美味しく熟成しているそのワインは、古賀さんが愛情持って、大切にセラーで眠らせていた財産なわけで、そのための手間暇、場所代だってかかるし、会社資産として持ち続けるリスク、時間だってすべて必要な経費なわけです。
そして、その愛情の詰まったワインを誰かが大事に飲んでくれる。
結局、当時の定価より高く購入させていただき、お客様にもバックヴィンテージとして説明し、納得していただいた上で昔の定価より高い金額でご購入いただきました。
50年前のワインが高価になるのは多くの人が何となく理解してくださるのですが、数年だとなかなか伝わらないですのが難しいところですね。
違いますよね。
あっ、都農ワインさんはまさに
尾鈴ビンヤードシリーズ(普段飲めるワイン)
牧内ビンヤードシリーズ(特別なワイン)
プレステージシリーズ(誰かにプレゼントするワイン)
と全部大事になさっていますよね!!
世界の中の日本ワイン、日本ワインの中の九州ワイン、九州ワインのなかの都農ワイン
日本はワインでは新世界なので、シャルドネ、カベルネ、メルロに捉われず、日本に合ったハイブリッド品種が生まれて、ワインとして美味しければ良い。
これだけインバウンドが来ているんだから、日本のワインの良さを知ってもらって、輸出国になることだって夢じゃありません。
そうすれば、例えばフランスワインに興味を持つと、今度はボルドーとかブルゴーニュとか産地について知りたくなるように、日本ワインの中の北海道とか、山梨とか、中国地方とか、九州とか産地に興味をもってもらえる。
その九州のワイナリーのなかで、都農ワインがあるらしいぞって。
さらに九州ワインはこんな特徴をもっているけど、安心院はこんなワインで、熊本はこんなワインで、都農はこんなワインだと国内外で個性を知ってもらえるかもしれません。
グローバルでは人と違うことが良いことですから、そういう取り組みができるといいですよね。
古賀:ありがとうございます。そろそろ時間ですね。
赤尾:あぁ、もうそんな時間ですか。こんな内容で良かったのでしょうか。
古賀:あっはっは。あとは寺井さんが編集してくれますよ。
改めまして、赤尾工場長ありがとうございました!(古賀、寺井)
都農ワインは『ぶだう酒屋』でも取り扱っています。下記ページをご覧くださいませ。また、実際にソムリエ寺井がテイスティングしたワインを数本ご紹介いたします。
都農ワインのおすすめ銘柄
当店「ぶだう酒屋」で扱っている都農ワインをご紹介していきましょう!
1本からご注文可能ですが、送料などを考えると複数本がおすすめですし、ぜひ都農ワインを飲み比べてみてほしいと思います。
どれも人気商品で完売になりやすいので、在庫がある状態で見つけた方は買っておいて損はないと思いますよ!
あと、ふだんはカクテル派の方や、ワインを飲みなれていない若い女性にキャンベルアーリーは絶対におすすめです!
尾ノ下・エステート・シャルドネ #5
以下、紹介文。詳細なテイスティングコメントは商品ページにあります
色合いや香りは、カリフォルニアのようなワイン新興国の雰囲気を感じます。
しかし、実際に飲んでみると香りから感じる以上に、キレイな酸とミネラルがあり、全体のバランスは非常に良いです!
料理は、魚介類や鶏、豚などを白ワインソースやクリームソースで仕上げたものがおすすめ。クリームいいなぁと思います。ぜひ^^
丸い大ぶりグラスをご用意いただけたらベストです!
このワインの当店在庫は下記よりご確認ください
尾ノ下・エステート・シャルドネ #5
キャンベルアーリー
まだ都農ワインが今ほど評価されていなかった2004年、イギリスの『ワインレポート2004』というワイン専門書でキャンベルアーリー・ロゼが『最もエキサイティングな世界のワイン100選』に選ばれたのです。
赤尾工場長は「掲載されるという連絡が入った時、事務所の裏で小畑工場長(当時)が感極まっていました。そのうしろ姿が今でも忘れられません」と当時を振り返り、小畑社長は「都農ワインは、ワインリポート2004に救われたのだと思っている。それまでの苦労や悔しさが報われた気がして、様々な思いが込みあげてきてきた」とおっしゃっているそうです。
さて、実際にテイスティングしてみると、これは本当にフルーティーでチャーミング!かわいらしいワインです。ワインを飲み始めた20歳の女の子にプレゼントして、ワイン好き人生をスタートしてほしいワインだなと思います。
イチゴのような甘酸っぱい香り満載!ちょっと甘すぎるのでは?と思いながら口に含むと、しっかりと酸があり、決して甘ったるくありません。
9%というアルコール度数のおかげもあり、スイスイ飲めちゃうワインです。
『都農ワイン』のまとめ
九州のワイナリーが良質のワインを造るなんて、ワインを勉強しはじめたころには想像することができませんでした。
九州の気候は、ワイン用ブドウにとっては熱すぎること、そして雨が多いこと、収穫期に台風の影響を大きく受けることからです。
都農ワインをはじめ現在の九州のワイナリーの躍進は本当に生産者の方の努力の賜物だと思います。
世界的なワイン評論家ヒュー・ジョンソン氏も著書内で次のように絶賛しています。
「亜熱帯気候である九州でもワインが造られている。
都農ワインでは、マスカット・ベリーAやキャンベル・アーリーといった
品種を使用し、良質なワインを造ることに成功している」
実は、私はまだ都農ワインを訪れたことはないのですが(古賀は何度も訪問しています)、ぜひ一度うかがいたいと思います。
都農ワイン営業情報
名称 | 都農ワイン |
---|---|
フリガナ | ツノワイン |
住所 | 889-1201 宮崎県児湯郡都農町大字川北14609-20 |
電話番号 | 0120-28-5501 |
ファックス番号 | 0983-25-5502 |
メールアドレス | info@tsunowine.com |
営業時間 | 9:30~17:00 |
定休日 | 年中無休(年末年始を除く) |
クレジットカード | |
駐車場 | あり |
都農ワイン
https://tsunowine.com/